2026/7/7 公開
この記事は、Quoraで公開した回答を再編集したものです(元の回答)。
any と every の違い ― You can buy everything. はどういう意味か
Q. anyとeveryの説明としてYou can buy everything. は「全部買って良い」という意味なんでしょうか?
every は「どの一つを取っても」というのが基本イメージだと理解していたのに、You can buy everything. が「全部まとめて買っていい」という意味に見えてしまう。ある解説動画でそのように説明されていて混乱した、という質問です。結論から言うと、はい、そういう意味になります。ただし「ひとまとめ」という発想とは切り離して考える必要があります。
「全部」と「ひとまとめ」は別の概念
まず整理しておきたいのは、everything が「全部」を意味することと、それが「ひとまとめ」であることを意味するかどうかは、まったく別の話だということです。everything という語自体には「ひとまとめで」というニュアンスは含まれていません。
混乱のもとは can(可能性)の解釈
この手の疑問の混乱のもとは、たいてい can(可能性)の解釈にあります。You can buy everything. は「可能性」についての文です。「この店にあるものをすべて例外なく買うことができる」と言うとき、1つにまとめて買わないと購入の可能性が消える、と考えるのは不自然です。これは英語というより論理の問題です。
ここで everything が言いたいのは、「1つでもいいし、2つでもいいし、何なら全部買ってもよい。あなたが買えないものはここには1つも存在しない」ということです。「どの一つを取っても」買える対象になる、という every 本来の意味と矛盾していないわけです。
可能性の話でなければ事情は変わる
これが可能性の話ではない場合は、また事情が異なります。たとえば You have to bring everything. と言えば、例外なく全部を持ってこなければならないという意味になります。この場合も「ひとまとめ」で運ぶ必要はなく、何回かに分けて運んでもかまいませんが、最終的には全部を持ってこなければならない、という点は変わりません。
可能性の世界では everything と anything の境界が薄まる
別の言い方をすると、「可能性」を語る文脈では、everything と anything の境界はかなり薄まります。次の例文で比較してみると、感覚がつかみやすいと思います。
Which of your lines do you think made her angry?(あなたのどのセリフが彼女を怒らせたんだと思う?)
- It could be everything. ― 原因はあのセリフかもしれないし、このセリフかもしれないし、すべてかもしれない
- It could be anything. ― どれでも原因になりうる(たとえば、彼女はそもそも怒りっぽい性質だとか)
- It was everything. ― (例外なく)全部のセリフが悪かった
could be が入ると everything も anything も「可能性の範囲」を語る言い方になり、意味の境界が近づきます。一方 It was everything. のように可能性ではなく事実を断定する文になると、every 本来の「例外なく全部」という意味がはっきり戻ってきます。